秋田県能代市の住宅密集地に完成した新築住宅は、日本屈指の高性能住宅設計で知られる西方設計と、地域に根差した高い施工技術を持つ熊谷建設のタッグにより誕生しました。
建築地域区分4地区という厳しい冬の寒さを抱えるエリアにおいて、本プロジェクトは断熱等級6以上(7未満)という極めて高い性能目標を掲げながら、同時に建築コストの最適化を図るという、現代の家づくりにおける重要な試金石となりました。
本プロジェクトにおける最大の課題は、寒冷地ならではの「徹底した結露・熱橋対策」と「コストパフォーマンス」の両立にありました。目標とする断熱等級を実現するためには、柱の間に断熱材を詰める充填断熱に加え、外側をさらに包み込む付加断熱が不可欠ですが、これらをいかに効率的かつ経済的に実現できるかが設計・施工の焦点となりました。
また、現場は隣地境界線が近い住宅密集地の準防火地域であり、万全の防火対策とともに、外部の騒音を遮断し室内環境を静穏に保つ遮音性能も強く求められました。
高性能住宅としての基準をクリアしつつ、これらの多様な制約を克服し、施主の生活の質を最大化することが本プロジェクトの核心でした。
これらの課題に対し、クナウフ・インシュレーションの「アースウール(Earthwool)」を部位ごとに最適に組み合わせることで、隙間のない断熱ラインを構築しました。
屋根と壁の充填部には、密度と施工性のバランスに優れた「密度20K 105mm」を採用し、屋根についてはこれを2枚重ねにすることで極めて高い熱抵抗値を確保しています。さらに、壁の外側にはロールタイプの「密度24K 50mm」による付加断熱を施し、構造材を介した熱の逃げ道である熱橋(ヒートブリッジ)を最小限に抑え込みました。
この多層構造は断熱のみならず、グラスウールが持つ本来の不燃性と吸音性を最大限に引き出し、準防火地域での安全性と、密集地とは思えない静寂な室内環境を同時に提供する理想的な解決策となりました。
環境価値と施工性の相乗効果 数ある断熱材の中から今回もアースウールが選ばれた決定的な理由は、その卓越した環境性能と現場での扱いやすさにあります。
アースウールは植物由来のバインダーを使用する独自の「ECOSE®テクノロジー」により、健康に配慮した「Declareレッドリスト・フリー」や「ユーロフィン・ゴールド認証」を取得しており、住まう人の健康と環境負荷を重視する施主・設計者の理念と合致しました。
さらに、特筆すべきは施工現場での評価です。従来の製品と比較してチクチク感が劇的に少なく、柔軟で復元力に優れた触感は、職人の負担を軽減するだけでなく、複雑な構造部への確実な充填を可能にします。この「信頼できる性能」 「環境への誠実さ」 「優れた施工性」 の三位一体が、西方設計と熊谷建設が数棟にわたり本製品を連続採用し続ける信頼の証となっています。